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今後の労働時間法制の在り方について

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今後の労働時間法制の在り方について

  過重労働の撲滅が叫ばれて久しいですが、依然として長時間労働が改善されないままになっていたり、また、年次有給休暇取得促進も思うように進んでいなかったりと、労使はもとより官民挙げての取り組みが今ほど求められていることはありません。

■今後の労働時間法制等の在り方の概要

1.働き過ぎ防止のための法制度の整備等
(1)長時間労働抑制策
・中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の適用猶予の見直し
中小企業労働者の長時間労働を抑制し、その健康確保等を図る観点から、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率を5割以上とする労働基準法第37条第1項ただし書きの規定について、中小企業事業主にも適用することが適当。
・健康確保のための時間外労働に対する監督指導の強化
・所定外労働の削減に向けた労使の自主的取組の促進

(2)健康に配慮した休日の確保
・週休制の原則等を定める労働基準法第35条が、必ずしも休日を特定すべきことを求めていないことに着目し、月60時間超の時間外労働に対する5割以上の割増賃金率の適用を回避するために休日振替を行うことにより、休日労働の割増賃金率である3割5分以上の適用を推奨する動向については、法制度の趣旨を潜脱するものであること。

(3)労働時間の客観的な把握
・過重労働による脳・心臓疾患等の発症を防止するため労働安全衛生法に規定されている医師による面接指導制度に関し、管理監督者を含む、すべての労働者を対象として、労働時間の把握について、客観的な方法その他適切な方法によらなければならない旨を省令に規定することが適当。

(4)年次有給休暇の取得促進
・年次有給休暇の取得率が低迷している実態を踏まえ、年次有給休暇の取得が確実に進むよう具体的な日数を掲げ、年次有給休暇の時季指定を使用者に義務付けることが適当。

(5)労使の自主的取組の促進
・各企業における労働時間、休日及び休暇等の改善に向けた労使の自主的取組を一層促進するため、企業単位での取組の促進に向けた法令の整備を行うことが適当。

2.フレックスタイム制の見直し
子育てや介護、自己啓発など様々な生活上のニーズと仕事との調和を図りつつ、メリハリのある働き方を一層可能にするため、フレックスタイム制の活用促進に向けた労使の取組に対する支援策を講じるとともに、より利用しやすい制度となるよう、以下の見直しを行うことが適当。
(1)清算期間の上限の延長
フレックスタイム制により、一層柔軟でメリハリをつけた働き方が可能となるよう、清算期間の上限を、現行の1か月から3か月に延長することが適当。

(2)完全週休2日制の下での法定労働時間の計算方法
完全週休2日制の下では、曜日のめぐり次第で、1日8時間相当の労働でも法定労働時間の総枠を超え得るという課題を解消するため、完全週休2日制の事業場において、労使協定により、所定労働日数に8時間を乗じた時間数を法定労働時間の総枠にできるようにすることが適当。

3.裁量労働制の見直し
裁量労働制について、企業における組織のフラット化や事業活動の中枢にあるホワイトカラー労働者の業務の複合化等に対応するとともに、対象労働者の健康確保を図り、仕事の進め方や時間配分に関し、労働者が主体性をもって働けるようにするという制度の趣旨に即した活用が進むよう、以下の見直しを行うことが適当。
(1)企画業務型裁量労働制の新たな枠組
企画業務型裁量労働制の対象業務要件のうち、現行では「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務」とされている部分について、近年のホワイトカラーの働き方の変化を踏まえ、以下の新たな類型を追加することが適当。

(2)手続の簡素化
企画業務型裁量労働制が制度として定着してきたことを踏まえ、ア)労使委員会決議の本社一括届出を認めるとともに、イ)定期報告は6か月後に行い、その後は健康・福祉確保措置の実施状況に関する書類の保存を義務付けることが適当。

(3)裁量労働制の本旨の徹底
裁量労働制を導入しながら、出勤時間に基づく厳しい勤怠管理を行う等の実態があることに対応するため、始業・終業の時刻その他の時間配分の決定を労働者に委ねる制度であることを法定し、明確化することが適当。

4.特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル労働制)の創設
時間ではなく成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズに応え、その意欲や能力を十分に発揮できるようにするため、一定の年収要件を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者を対象として、長時間労働を防止するための措置を講じつつ、時間外・休日労働協定の締結や時間外・休日・深夜の割増賃金の支払義務等の適用を除外した新たな労働時間制度の選択肢として、特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル労働制)を設けることが適当。
(1)対象業務
「高度の専門的知識等を要する」や「業務に従事した時間と成果との関連性が強くない」といった対象業務とするに適切な性質をみたすものとし、具体的には省令で規定することが適当。

具体的には、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)、コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)、研究開発業務等を念頭に、法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で適切に規定することが適当。

(2)対象労働者
まず、使用者との間の書面による合意に基づき職務の範囲が明確に定められ、その職務の範囲内で労働する労働者であることが適当。

(3)健康管理時間、長時間労働防止措置(選択的措置)、面接指導の強化等
本制度の適用労働者については、割増賃金支払の基礎としての労働時間を把握する必要はないが、その健康確保の観点から、使用者は、健康管理時間(省令で定めるところにより「事業場内に所在していた時間」と「事業場外で業務に従事した場合における労働時間」との合計)を把握した上で、これに基づく長時間労働防止措置や健康・福祉確保措置を講じることとすることが適当。

(4)対象労働者の同意
制度の導入に際しての要件として、法律上、対象労働者の範囲に属する労働者ごとに、職務記述書等に署名する形で職務の内容及び制度適用についての同意を得なければならないこととし、これにより、希望しない労働者に制度が適用されないようにすることが適当。

(5)労使委員会決議
制度の導入に際しての要件として、労使委員会を設置し、以下の事項を5分の4以上の多数により決議し、行政官庁に届け出なければならないこととすることが適当。


詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000071225.html

 

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2015年2月3日 | カテゴリー:ニュース

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