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『年次有給休暇の計画的付与』って何?(求人募集を有利に進める為のちょっとしたポイント!)

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年次有給休暇の計画的付与

◇年次有給休暇の取得の効果

年末年始や年度替わりにあたって、年次有給休暇の取得(消化)状況について頭を悩ませる事業主の方もいらっしゃることでしょう。年次有給休暇の取得については、昨今の労働環境や、仕事と生活の調和の観点から、見直しが推進されています。それではなぜ年次有給休暇を含め労働時間の見直しが必要なのでしょうか。年次有給休暇の取得の効果については、次の3点が挙げられます。まず1点目に労働者の健康の問題です。普段の労働や超過勤務に伴い蓄積した肉体的疲労、精神的疲労の回復の効果に加え、労働者の市場価値とも言える勉学や技術を高める時間が確保できることです。2点目に労働者の退職時の年次有給休暇の取り扱いの問題です。年次有給休暇を取得すれば当然退職時に余る有給休暇が少なくなるので会社側の立場にしても労働者側からしても退職日の設定が容易になり、有給休暇の買い取りや退職時の労使トラブルを先んじて回避出来得るということです。3点目に社会的評価の観点から、年次有給休暇の取得率がより高ければ法令遵守、つまり社会的規範や企業倫理を判断する一つの指標となり、求人の際、応募者にアピールできる「長所」になり得るでしょう。

以下で述べる年次有給休暇の計画的付与が、有給休暇の取得の増進や、労働時間の見直しの一つの案として皆様の助けになればと思います。

◇「計画的付与」とは

「使用者は年次有給休暇の時季を定めて付与することが出来る」のはご存知でしょうか。これを「計画的付与」といい、使用者は労使協定を締結することで年次有給休暇を決まった時期に付与することが出来ます。計画的付与が可能である有給休暇は労働者の保有する日数のうち、5日を超える日数です。つまり、計画的付与をするにあたり、その労働者の保有する有給休暇を5日残す必要があるということになります。

当然、年次有給休暇を計画的に付与するということであれば会社の休日以外の部分で定めなければなりません。ここで、「それではいつ計画的付与するのか」という問題が浮かぶのではないでしょうか。例えば臨時休業する、新しく夏休みを作る、国民の祝日について労働日から休日にするなどの方法があります。就業規則に記載されている休日、慣習としての休日以外の部分で運用するというのが原則です。特に盆休みや年末年始の休日の限定がされていない場合は休日を定めそこから休日を増やし運用するというのも一つの方法です。就業規則の変更や労働条件について改善を考えている事業主様はご検討いただいても良いのではないでしょうか。

実際に計画的付与を行うにあたっては、まずは就業規則に記載する必要があります。また労使協定を結ぶにあたっては時季を指定すること、計画的付与する具体的日にちが限定できない場合は1ヶ月前には通知する旨等を盛り込むと良いでしょう。またトラブル回避や周知徹底のため過半数代表選任の署名を作成も用意する必要があります。

計画的付与は前述の通り有給休暇を5日残す必要があるのですが、残す日数が5日以上であれば運用が可能です。例えば労働者との交渉の結果10日以上は自由に使える日数を与えるという結果になれば、計画的付与については10日を超える日数について労使協定で定めた時季に与える旨を就業規則に定める必要があります。

しかし新入社員など有給休暇を所持していない若しくは計画的付与するにあたり日数が足りない労働者の処遇はどうすれば良いのでしょうか。一斉に有給休暇を計画的付与で与えるなどしてその日を休日にして、有給休暇の日数が足りない労働者を休ませてしまうと、それは事業主都合の休業になってしまうので休業手当を支給しなければなりません。しかしそれでは日々の給与計算業務などの阻害の原因になってしまいます。解決する一つの方法としては一斉に計画的付与する場合に有給休暇を所持しない若しくは日数が足りない労働者に関しては特別休暇として付与するといったことなどが挙げられます。

年次有給休暇の計画的付与は労使協定を結ぶ必要があり、労働者にとってはより多くの休暇が取得できるとはいえ、労働者が自由に使用できる有給休暇の権利を限定する側面もあるので労働者の不利益変更のないよう慎重に準備し運用することが肝要といえるでしょう。

左近の人手不足時代、本当に人材確保が難しい時代になりました。

また、人手不足倒産時代の到来とも言えます。

ちょっとしたコツで、求人募集を有利に進めていきましょう。

ご不明点等ございましたら、弊所までご相談下さい。

 

2014年9月11日 | カテゴリー:労務管理

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