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職場のパワハラ実態調査結果(H24.12.12)

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◇「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」が公表されました。(h24.12.12)

 

厚労省は、国として初となる職場のパワーハラスメント(以下、「パワハラ」という)に関する実態調査報告書を公表しました。調査は、民間会社に委託し、全国の企業・従業員を対象にパワハラが発生する要因や予防・解決に向けた課題を検討した内容となっています。

 

●調査の概要

(1)全国の従業員(正社員)30人以上の企業17,000社に調査票を郵送し、回収率は27.3%。

(2)全国の企業・団体に勤務する20~64歳の男女9,000名 (公務員、自営業、経営者、役員は除く)に対してインターネット調査を実施。

 

●主な調査結果

(1)相談窓口における従業員からのパワハラの相談状況

従業員のための相談窓口を設置している企業は、全体の73.4%。

・従業員1,000人以上の企業→96.6%

・従業員99人以下の企業→37.1%

 

(2)パワハラの発生状況

・過去3年間にパワハラに関する相談を1件以上受けたことがある企業→45.2%

・実際にパワハラに該当する事案のあった企業→32.0%

・過去3年間にパワハラを受けたことがあると回答した従業員→25.3%

 

(3)パワハラが発生している職場の特徴とは

・上司と部下のコミュニケーションが少ない職場→51.1%

・正社員やパート等様々な立場の従業員が一緒に働いている職場→21.9%

・残業が多い/休みが取り難い→19.9%

・失敗が許されない/失敗への許容度が低い→19.8%

 

(4)パワハラの予防・解決のための企業の取組と効果

・パワハラの予防・解決を経営上の課題として重要であると回答→80.8%

・実際に予防・解決に向けた取組をしている企業→45.4%

・管理職向けの講演や研修等の取組実施企業→64.0%

・就業規則などの社内規定に盛り込んでいる企業→57.1%

 

(5)パワハラの減少に向けて求められること

企業調査において、パワハラの予防・解決の課題として最も比率が高かったのは、

・パワハラかどうかの判断が難しい→72.7%

※取組を進めることで懸念される問題として、「権利ばかり主張する者が増える」(64.5%)、「パワハラに該当すると思えないような訴え・相談が増える」(56.5%)といった項目が多くあがっている。

従業員調査において、過去3年間にパワハラを受けた経験者のうち、

・何もしなかった→46.7%

※社内の相談窓口に相談した者の比率は1.8%と低い結果

 

●パワハラの予防・解決のための取組を進める視点

(1)企業全体の制度整備

実際にパワハラを受けた者が相談窓口に相談する比率は極めて低いことから、単に相談窓口を設置するだけでなく、相談窓口が活用され、解決につなげるアクションを促すような仕組みづくりも必要である。さらに、パワハラに関する研修制度や、就業規則などの社内規定にパワハラ対策を盛り込むことなど、総合的な取組が重要。

 

(2)職場環境の改善

パワハラの実態を把握し、解決につなげるアクションを促すためには、上位者がパワハラについて理解した上で、部下等とのコミュニケーションを行うことにより、パワハラが生じにくい環境を作り出すとともに、パワハラに関する相談がしやすい職場環境を作り出すことが重要である。また、職場における働き方についても、労使で十分話し合い、労働時間や業務上の負荷によりストレスが集中しないよう配慮すること必要である。

 

(3)職場におけるパワハラへの理解促進

各企業は、自社の状況を踏まえ、労使の話し合いのもと、会社としてのパワハラについての考え方を整理し、職場においてパワハラの予防・解決への意識啓発を進めていくことで、パワハラかどうかの判断やパワハラといえない相談が寄せられるといった課題の解決に近づくことが期待される。これにより従業員の関心が高まることで、一時的にはパワハラの相談が増えることも予想されるが、しっかりと相談に対応していく中で、各種取組の効果が現れ、将来的にはパワハラをなくすことにつながると考えられる。

 

最近は会社に対してパワハラに関します訴訟が急増しております。

「うちには関係ない」とそういった会社様が訴えられているというのもまた事実なのです。

是非対策を練られることをお勧めします。

 

2014年9月19日 | カテゴリー:労務管理

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