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雇用保険と労災保険の手続きにおけるマイナンバーの記載について

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雇用保険と労災保険の手続きにおけるマイナンバーの記載について

 

当初、雇用保険の手続きにおけるマイナンバーの届出は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(以下、マイナンバー法)により「努力義務」とされていました。しかし、後から雇用保険法令により「義務」となるなど、取り扱いが変わるケースも出てきています。

 

今回は、雇用保険、労働者災害補償保険(以下 労災保険)の手続において、事業主がマイナンバーの記載を行う届出書類等の注意点をご案内します。

 

1.雇用保険

事業主がマイナンバーを記載して提出する雇用保険手続書類は以下のとおりです。

・雇用保険被保険者資格取得届

・雇用保険被保険者資格喪失届

・高年齢雇用継続給付受給資格確認票・初回高年齢雇用継続給付支給申請書(※1)

・育児休業給付受給資格確認票・初回育児休業給付金支給申請書(※1)

・介護休業給付金支給申請書(※1)

・個人番号登録・変更届出書(※2)

 

(※1)原則、事業主が提出する書類ですが、本人が申請することも可能です。

(※2)本書類は、個人番号欄のない旧様式にて届け出る場合や個人番号の登録を後日行う場合などに使用する様式です。

 

<注意点>

雇用保険法施行規則の一部を改正する省令が、平成28年2月16日に施行されました。この改正により、従来被保険者自身が手続きをすることが原則だった雇用継続給付の申請が、事業主を経由することが原則となりました(本改正前は事業主と従業員の間で労使協定を結ぶことにより、事業主が雇用継続給付の申請を行うことができましたが、今後は労使協定を結ぶ必要がなくなりました)。

 

それに伴い、雇用継続給付の申請を行う事業主は、マイナンバー法上は個人番号関係事務実施者としてマイナンバーを取り扱うこととなりました。今後、事業主が雇用継続給付の申請を行う場合、従業員のマイナンバーや身元の確認を行うこととなります(ハローワークへ代理権の確認書類や個人番号確認書類の提出は必要ありません)。

 

2.労災保険

事業主がマイナンバーを記載して提出する労災保険手続書類は原則としてありません。

 

<注意点>

労災保険において、マイナンバーの記載が必要となる手続きは、個人が行う労災年金の請求だけであり、事業主は労災保険の手続きに関してマイナンバー法上の個人番号関係事務実施者とはなりません。そのため、事業主は労災保険の手続きのために従業員のマイナンバーを収集・保管することはできません。

 

なお、「収集」には「閲覧」は含まれていないため、労災年金の請求書の事業主証明欄を記載する際、マイナンバーを見ることは問題ありませんが、マイナンバーを書き写したり、コピーを取ったりすることなどはできません。管理の都合上、コピーが必要な場合には、マイナンバー部分をマスキングまたは削除をすることが必要です。

 

また、請求者の委託により、事業主などが代わって労災年金の請求書の作成・提出の手続きを行うことは可能ですが、労働基準監督署に労災年金の請求書を提出する際、

①代理権の確認、②代理人の身元確認、③請求者のマイナンバーの確認が可能な書類を添付することが求められます。

 

この場合、事業主は、請求書の作成や提出の手続きでマイナンバーを利用する必要がなくなったときには、速やかに廃棄または削除する必要があります。

 

(参考)労災保険でマイナンバーの記載が必要になる書類

・障害補償給付支給請求書

・遺族補償年金支給請求書

・遺族補償年金、遺族年金転給等請求書

・傷病の状態等に関する届

・障害給付支給請求書

・遺族年金支給請求書

・年金たる保険給付の受給権者の住所・氏名、年金の払渡金融機関等変更届

 

今後、マイナンバーの利用範囲は拡大されていくこととなっていますが、まずは労働保険における取り扱いを把握して適正な利用を心がけましょう。

2016年5月2日 | カテゴリー:雇用保険・労災保険・健康保険

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