フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引きを公表
厚生労働省から、「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」が公表されています。これは、「法令解説編」と「実務対応編」とに分けて、フレックスタイム制の解説をまとめたもので、さらにフレックスタイム制に関する「Q&A」も用意されています。フレックスタイム制については、働き方改革関連法による労働基準法の改正により、2019(平成31)年4月から、清算期間の上限が延長されます(「1か月」→「3か月」)。
より柔軟な運用が可能となりますが、清算期間を「1か月を超えるもの」とする場合、1か月ごとの労働時間が週平均50時間を超えないようにする必要があるなど、新たな注意点もありますので、改正の内容も含め、今一度確認しておくことをおすすめいたします。
■フレックスタイム制とは
フレックスタイム制は、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度です。労働者は仕事と生活の調和を図りながら効率的に働くことができます。
・フレックスタイム制のメリット
フレックスタイム制のもとでは、あらかじめ働く時間の総量(総労働時間)を決めたうえで、日々の出退勤時刻や働く長さを労働者が自由に決定することができます。労働者にとっては、日々にの都合に合わせて、時間という限られた資源をプライベートと仕事に自由に配分することができるため、プライベートと仕事のバランスがとりやすくなります。
【出典:厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」より】
■改正内容(フレックスタイム制の清算期間の延長等)
これまでのフレックスタイム制は、清算期間の上限が「1か月」までとされていたため、労働者は1か月の中で生活に合わせた労働時間の調整を行うことはできましたが、1か月を超えた調整をすることはできませんでした。今回の法改正によって、清算期間の上限が「3か月」に延長され、月をまたいだ労働時間の調整により柔軟な働き方が可能となります。
清算期間が1か月を超える場合には、
(1)清算期間における総労働時間が法定労働時間の総枠を超えないこと(=清算期間全体の労働時間が、週平均40時間を超えないこと)
に加え、
(2)1か月ごとの労働時間が、週平均50時間を超えないこと
を満たさなければならず、いずれかを超えた時間は時間外労働となります。このため、月によって繁閑差が大きい場合にも、繁忙月に偏った労働時間とすることはできません。
清算期間が1か月を超える場合には、労使協定を所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があり、これに違反すると罰則(30万円以下の罰金)が科せられることがあります。清算期間が1か月以内の場合には届出は不要です。
【出典:厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」より】
詳しくは下記参照先をご覧ください。
- 参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
- https://www.mhlw.go.jp/content/000476042.pdf
2019年3月24日 | カテゴリー:労務管理